ミシン糸の豆知識
絹ミシン糸を意識して開発された糸で、
ポリエステルフィラメントミシン糸の通称を”テトロン糸”と呼びます。
テトロン糸はスパン糸より一般的には馴染みの少ない糸ですが、
糸は光沢があり、縫い目が美しく仕上がるため、
高級婦人服や紳士服の縫製工場で広く使われています。
ただスパン糸に比べると少し伸度があるため、糸調子に注意して使わないと
縫い縮み(パッカリング)発生しやすくなります。
《用途例》
0・1・5番・・・帆布、シート、厚地用ステッチ、レザー製品
6・8・20番・・・帆布、シート、厚地用ステッチ、レザー製品
30番・・・ステッチ、レザー製品
40番・・・ステッチ、レザー製品
50番・・・各種衣料
60番・・・各種衣料
80・100番・・・薄地用
【スパン糸】(ポリエルテル100%)
綿ミシン糸に代わって登場したのがポリエステルスパンミシン糸です。
ポリエステルの綿状にした短繊維を紡績し、
綿糸と同様の風合いと外観を持たせてあります。
スパン糸はその縫いやすさからニット製品、カジュアル衣料等あらゆる生地の縫製
に使われています。
世界的にも縫い糸の主流として流通しています。
《用途例》
【ウーリー糸】(ナイロン100%またはポリエステル100%)
フィラメント伸縮加工糸(かさ高加工糸)と呼ばれ、
合成繊維の熱可塑性を利用してウールのように伸縮性を付与した糸です。
素材としてはナイロンとポリエステルがあり、それぞれ高伸縮と低伸縮の2タイプの
ウーリー糸があります。
一般的にウーリーとして市販されているのはナイロン高伸縮タイプになります。
ニット製品全般、水着、ファンデーションの縫製、
また最近では「巻きロック」でブラウス等婦人服にも使用されています。
ナイロンウーリーは素材の特性上、経時変化でわずかに黄変が発生します。
ポリエステルウーリーは黄変はありませんが、
ナイロンに比べると縫い上がりが少し硬い感じになるようです。
【レジロン糸】(ナイロン66 100%)
ナイロン糸に特殊樹脂加工を施し、
可縫性を高めたフジックス(ミシン糸の総合メーカー)のオリジナルなミシン糸です。
適度な柔軟性と伸縮性があり、ストレッチ素材、
ファンデーション、ニット製品に使われます。
【新合繊用】(ポリエステル100%)
フィットミシン糸等に代表される糸で、
テトロン糸の持つ光沢・滑らかさと、スパン糸の使いやすさと生地へのなじみ良さ等、両方の特性を合わせ持った日本独自の複合ミシン糸です。
最近の婦人服、紳士服は生地が薄く、デリケートな素材が多くなり、
縫製後のパッカリング(縫い縮み)の防止に効果的な糸です。
※注意点・・・各メーカー独自の規格のため、糸番手の表示と太さには各社差があります。
【後染め用綿糸】
綿100%のミシン糸で「フジボウカタン製」のW3Cという品番の糸です。
縫製後に染色する商品にお使いください。
【熱接着糸】
キング熱接着糸「メルター」は、接着力の強い合成樹脂を糸にしたもので、
縫製後にアイロンやプレスの熱で接着できます。